暴力团再武装

  • 鹤田浩二 若山富三郎 丹波哲郎 近卫十四郎 渡边文雄
  • 120分钟
  • 1971年5月(東映東京)の作品です。企画は俊藤浩滋・… 1971年5月(東映東京)の作品です。企画は俊藤浩滋・吉田達、監督は佐藤純弥、脚本は村尾昭です。えらい作品タイトルです。しかし、このタイトルに騙されました。実に「東映型民主主義」が凝縮された作品でした。良かった。 主演は鶴田浩二。関東一の巨大ヤクザ組織の幹部で、刑務所から出所したばかり。昔かたぎで斬った張ったタイプのヤクザ。親分は近衛十四郎(松方弘樹の実父)。経営手腕に優れた兄貴分に丹波哲郎。この鶴田と丹波が組の方向性をめぐってしばしば対立します。 ムショ帰りの鶴田が大事な港湾荷役の新規事業を任せられ、「アンコ」(港湾労働者)を酷使しながらどう事業を軌道に乗せるかがその任務。最初は、地元のヤクザ(街田京介ら)が仕切っていた港湾労働を実力で粉砕し(親分を殺し)、その仕事を分捕ります。子分には室田日出男、渡瀬恒彦など。アンコたちに対しても平気で詐欺まがいの「契約」を押し付け、ピンはねも繰り返す有様。アンコたちの不満は高まります。 ☆ しかし、ある日、現場の一角が火事。アンコたちに助けられ急死に一生を得た鶴田は、アンコたちに信頼されることが重要だと痛感し、態度を改めます。それをよく思わない丹波。ここから対立が激化し、鶴田は事業収入が悪いこともあり謹慎を命じられ、再び、アンコたちの待遇は劣悪になります。 そこでアンコたちは組合を結成。組合長には小池朝雄。そして、このアンコたちの兄貴的存在の若山富三郎とともに(組合作りにはそこまで乗り気ではない)、ストライキを決行。警察が見守る中、丹波らが武力で労働者たちに襲い掛かるシーンは、同時代に合理化の過程で自主管理労組などの闘いの風景でもあったこともあり、リアリティがあります。 とはいえ、組合は力で押さえつけられ、他のアンコたちと分断させられ、孤立化を図られます。さらに小池が殺され(殺すのは鶴田の子分である小林稔侍)、窮地に。そこで若山が組合長になります。丹波は若山の引き抜きを策しますが、若山がきっぱり断ると監禁してリンチ。拘留されていた鶴田がこのことを知り、若山を逃がしますが、まともに歩けない若山に手を貸そうとする鶴田を押しのけ、「オレは人間としか手を繋がない」と。 ☆ しかし、監禁から解かれたものの、飯場に戻る前に、若山は殺されてしまいます。無念。そして、鶴田も破門に。ここでアンコたちの不満は一気に上昇します。そして、のうのうと現場に現れた丹波と近衛には憎悪の眼差しが。そこに鶴田も登場し、丹波に襲い掛かり、銃撃戦を繰り広げます。ここに、勢いを得たアンコたちが丹波たちに投石を開始、棒切れを持って殴り合いを開始します。 鶴田は、その隙を縫って、丹波を刺し殺すことに成功。しかし、近衛をやることには足踏みします。すると、鶴田を殺そうとする近衛に再びアンコたちの投石が。その隙に、鶴田は親分である近衛を刺し殺します。 ここで作品は終わりません。次は鶴田に対してもアンコたちの投石がなされます。ここがポイントです。鶴田は改めて自分の非を憎み、腹を掻っ捌いて自決。それに最初は驚くもののアンコたちは若山の葬式だといって列になり、弔いを開始するところで作品は終わります。 ☆ この幾つもの複雑な線を単純な図式に還元しないところに東映やくざ映画の真骨頂があり、これは任侠/実録というかたちで時系列的に分類されることが多いことを考えると、強調してもし過ぎることがないように思います。どうでしょうか。

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