竜馬を斬った男

  • 萩原健一 藤谷美和子 根津甚八 坂東八十助 中村れい子
  • 120分钟
  • 攘夷の動きが活発になっていた文久三年、幕士・佐々木… 攘夷の動きが活発になっていた文久三年、幕士・佐々木只三郎は老中・板倉伊賀守の命により、攘夷浪士二十数名を処刑した。只三郎は八重と祝言をあげて間もなく、京都見廻組組頭に着任。新撰組が池田屋を襲った夜、只三郎が追った浪士はかつて故郷の会津で共に学んだ亀谷喜肋だった。そのときは無理に追うことはせず刀を納めた。翌日、只三郎は坂本竜馬と再会。初めて会ったときはどういう人物かよく知らなかったが彼は竜馬に不思議な魅力を感じた。しかし、只三郎は板倉から薩長連合を企てる首謀者の竜馬を斬るよう命じられる。複雑な思いで盃をかたむけていた只三郎は、芸奴・小栄と出会い、そこに江戸に残した妻・八重の面影を見た。久しぶりに気持よく酔った只三郎は、帰り道で喜助に襲われたが、彼が喜助を追いつめて見たものは、かつて自分の許嫁だったぬいの夜鷹となった姿だった。その場を逃がれた喜助はぬいに京を出ようとすすめられるが頑として受けつけなかった。彼はなんとしても勤王の志士となり、只三郎を見返してやりたかったのである。仕事には忠実ながら日に日に冷徹な人斬りとなっていく只三郎。彼は上様御用人・原市之進が斬られたのを機に薩長の息の根を止めようとはやるが、実兄の会津藩士・手代木直右衛門から幕府の大政奉還の意向を聞かされ憤然とする。幕府はこれ以上の混乱を避けようとしているのだ。挫折感に打ちひしがれる只三郎は次第に薩長連合を成立させた時代の窮児ともいうべき竜馬に対し、嫉妬と憎悪の念を燃やしていく。狂ったように竜馬を追い求める只三郎は慶応三年十一月十五日、中岡慎太郎と共に河原町の近江家に逗留している竜馬を斬った。しかし、その直後彼自身かねてから自分をつけ狙っていた喜助に襲われて差し違えてしまう。

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