横山秀夫サスペンス沈黙のアリバイ

  • 渡辺謙 北村一輝 余貴美子
  • 120分钟
  • 【ストーリー】 山梨県警捜査一課の警部・朽木(渡辺… 【ストーリー】 山梨県警捜査一課の警部・朽木(渡辺謙)は笑わない男だ。9年前、自ら運転して事件現場へ急いでいた時、年端のいかない女の子をはねて殺してしまった。女の子の母親が思わず口にした言葉が今も耳について離れない。「二度と笑わないでください。この子は笑いたくても、もう笑えない!」それ以来、朽木は笑いを忘れた。妻子にも去られ、朽木はその母親の言葉を振り払うような気持ちで仕事に打ち込んできた。 朽木の担当する現金強奪殺人事件が第一回公判の日を迎えていた。パチンコ店の売り上げを積んだ現金輸送車を二人の男が襲い、争いのあげく警備員二人と、巻き込まれた小さな女の子が死んだ。主犯は逃亡し、共犯者と思われる湯本(北村一輝)が捕らえられた。状況は湯本が共犯であることを示していた。しかし、物証がない。朽木の部下で所轄から刑事に引き上げられたばかりの島津(大浦龍宇一)があたった取り調べは難航。だが、拘留期限ぎりぎりになって、朽木に尻を叩かれた島津の厳しい取り調べの前に、湯本はついに自白に及んだのである。 公判の日、朽木たちの見守る中、検事の根来(光石研)が起訴状を朗読し、判事が起訴事実に誤りがないかを被告の湯本に問うた。場内の目が湯本に注がれる。やがて口を開いた湯本は、すべては警察のでっち上げであると言い出した。自分には当日のアリバイがあるのだという。そんな話は捜査陣はもちろん聞いたことがないし、その慌てようからして弁護士の斉藤(矢崎滋)すら知らなかったようである。場内は騒然となり、閉廷が宣告された。しかし、朽木は、朽木と目のあった湯本の口の端がうすい笑いにゆがむのを見逃さなかった。

同主演